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ゴールデンシティへ

インド北西部の、ラジャスターン州。

 


パキスタンとの国境に位置するこのインド最大の州には、
砂漠と石造りの建物の街並みが美しいことで有名だ。

 


中でもタール砂漠の真ん中に位置する『ジャイサルメール』の街並みは、
13世紀の雰囲気さながらで、ゴールデンシティーとの異名も持つと言う。

 


旅人から、インドではジャイサルメールが一番よかった、
との情報を聞きつけていた僕らは、どうしても訪れてみたかった。

 


ジョードプルから、朝5時20分発の電車に乗る予定だった僕らは、
入口で寝ている宿の亭主を起こして、5時前に宿を出た。

 


電車での移動はもはや手慣れたもので、
駅に着くやいなや、「ENQUIRY(総合案内)」を訪ねる。

 


そこには、どの電車が何番ホームに何時に着くかが記載されている。
遅れることが当たり前のインドでは、このチェックが何気に重要だ。

 


僕らの電車は6時45分発となっていた。
約1時間半の遅れだ。

 


久しぶりに遅れる電車に出会ったなぁ、と思いながらも、
1時間半なら全くの許容範囲。

 

 

旅を続けるうちに、時間感覚もおおらかになってきた。

 


ホームでチャイをすすりながら待っていると、
1人の小奇麗な格好をした男が近寄って来て、こう呟いた。

 


「今日のジャイサルメール行きはキャンセルされたよ。バスで行きな。」

 


でた。 

こう言ってバスのツアー会社に斡旋し、マージンを取る輩だ。

 


「はいよー。そいつは残念だ。。」

 


とか言いながら、あしらっていると、
今度は、チャイ屋の親父が寄ってきて、

 


「ジャイサルメールまで今日は電車は行かんよ。」

 


と言う。

 


寄ってたかって。グルか?こいつら。

 

 

チャイ屋の親父がウソをつく必要があるように思えないのだが、
その出で立ちと風貌で、どうしても胡散臭く見えてしまう。

 


とりあえず、駅の総合案内に戻り、再度掲示板を確認すると、

確かに6時45分と書いてある。

 

 

やっぱりあるんじゃねーか。

 


ただ、念のため駅の係員に聞いてみることにした。

 


すると、確かに電車はあるのだが、ジャイサルメールまでは行かず、
パロディーと言う200km手前の駅止まりになったとのこと。
3日前のストームの影響で線路を修復中、とのことなのだ。

 


奴らは本当に親切に教えてくれていただけだった。

やっぱりインド人はいい奴だ。

と言うか、掲示板に書いとけよな。

 


仕方ない、バスで行くか、と言うより、
またあのバスに乗れるのか!
と思うと、少し興奮を覚えた。

 


電車のチケットをキャンセルしようと窓口へ行くと、

 


「パロディーまでは動いてるんだから、そこまでは電車で行け!
 そっから先は払い戻してやる。」

 


と言われたが、そんなの面倒くさい。

粘り強く交渉をした結果、なんとか全額取り戻すことができた。

 


結果的には、最良の選択だった。

 

 

電車で1人400ルピー強掛かるところが、バスだと1人160ルピー。

時間も5~6時間で到着できるし、何よりあのスリルを味わえる!

端っからバスにしておけばよかったと思うくらいだ。

 


ただ、バス停に着くと、僕の期待は打ち砕かれた。

 

 

なんと、今まで乗ってきたローカルバスとは打って変わって、
デラックスバスだったのだ。

 

 

ジャイサルメール行きのバス.jpg

 

 

中はシート席と、人が寝転がれるくらいのボックス席(寝台席?)があり、
運転席は仕切られているため、前を見ることができない。

 

 

まぁ、仕方ない。デラックスを堪能しよう、と思ったのも束の間。

 


乗車時間が近づくと、次から次へと人が乗り込んできた。

 

 

みるみる内に、2人用のシート席には3人~5人程度が座り、
ボックス席は、普通1人、せいぜい2人が限界と思えるスペースに、
5人ずつくらい押しこまれている。

 

 

通路にも、寝ている人、立っている人、座っている人でごった返し、
一度、バスに乗り込んだら身動きなんて取れたもんじゃない。

 

 

おまけに、バスの天井にも何十人か乗せられているようだ。

 


そうだった、、ここはインドだった。。

 

 

デラックスとは名ばかりで、中身は全くデラックスじゃなかった。

 


そんな形で出発したバスは、
いつもの通り、まるで何十人もの命を預かっているとは思えない位の
猛スピードで突っ走る。

 


車内は、外気と人の熱気で蒸されていたが、
同時に砂漠特有のカラっとした空気が風となり、心地よかった。

 


途中、停車する街では、ここぞとばかりにモノ売りがバスに寄って集る。

 

 

売り物は、水、アイスクリーム、とうもろこし等々、様々だ。

 

 

バスに集る売り子.jpg

 

 

やはり天井の人たちは暑いらしく、おもしろいようにアイスが売れている。

 


快調に3時間ほど走った頃だろうか。

 

 

突然、バスの下で「ボンッ!」と言う爆発音がした。

 

 

その音と共に、バスは急ブレーキで止まった。

 

 

テロか!?

 

 

インドの列車が爆破された直後ゆえ、一瞬そう思ったが、
単なるパンクだった。

 


そりゃ、そうだ。

 

 

こんだけ人を乗せてたらタイやも悲鳴を上げる。

 


しかし、運転手はモノともせず、
手慣れた手つきで、後部から新しい(?)タイヤを取り出し、
自らの手で、タイヤを取り付け直した。

 

 

バスがパンク.jpg

 

 

キュッ、キュッ、キュッ。

 

 

力強く締めているようだったが、
これだけの人を乗せたバスのタイヤを、
人力だけで付け直して大丈夫なのだろうか...。

 

 

乗客も、全く動じていないので、
きっとインドではこういったことは日常茶飯事なのだろう。

 


運転手はものの10分程度取り付け直し、バスは再び動き出した。

 

そして夕方15時半、無事にゴールデンシティに到着。

 

 

その街は、その名の通りゴールデンな輝きを放っていた。

 


ジャイサルメール.jpg

 

 

宿は客引きに言われるがままに付いて行ってみると、
そこはジャイサルメールのシンボルの城の中。

 

 

その名も「マハラジャルーム」を200ルピーでいいと言う。

 

 

マハラジャルーム.jpg

 

 

ホテルの屋上のレストランからは、こんな光景が間近に。

 

 

ホテルの屋上から見える景色.jpg

 

 

今までの宿の中でも、かなり費用対効果のいい宿だ。

 


そして、街の外れのサンセットポイントから見た夕陽。

 

 

ジャイサルメールの夕陽.jpg

 

 

まさに、沈まぬ太陽そのものだった。

 

 

そんなジャイサルメールの目的は、キャメルサファリ。

 

 

翌日から休む間もなく、ラクダに乗って砂漠へ出かけることにした。

 


続きは、梨紗のブログへ。

2010.06.16 Wednesday | 16:20 | comments(2) | trackbacks(0) | by KOJI

コメント(2)

すげぇ、、、そりゃパンクするよ!

日本の過積載問題なんてカワイイもんだね(笑)
トラックもバスも、割りとまともな使われ方してる
国しか行った事ないから、衝撃的だよ!

今まで旅してきた場所、ほとんど過積載だった気が(笑)でも、中でもインドは激しいよ。さぞかし強力なタイヤを履いてるのかと思いきや、溝がもはやなかったり‥。

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