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【24】Syria:シリアで見つけたCOOL JAPAN!

ムスリムの国のおもてなし。

 

遡ることモロッコから始まり、
エジプト、ヨルダン、シリア、イスラエル(一部)トルコ、
これらの国々は、ムスリム(イスラム教徒)の国々でした。

 

 

これまで自分が抱いていたムスリムのイメージは、
正直、アルカイダに代表されるようなテロリスト。

 

 

と言うのも、テレビで見るニュースのほとんどが、
イスラム教過激派のことばかりだったからです。

 

 

しかし、この旅で触れ合ってきたムスリムたちの姿は、
それとは大きくかけ離れたものでした。

 

 

以前のブログにも記しましたが、
エジプトでは、タクシーの運転手ともめた空港から、
無料で相乗りさせてくれた青年。

 

 

ヨルダンでは、夜遅くに着いたにも関わらず、
破格で目的地まで心優しいタクシーのおじさんが連れていってくれ、
途中、喉渇いているだろうと、水の差し入れまでしてくれました。

 

 

イスラエルでも、タクシーのおじさんに、家にまで招待され、
アラブコーヒーを振る舞ってもらったことも。

 

 

アラブ人のタクシーの運ちゃん宅.jpg

 

 

娘さんがコーヒーを振る舞ってくれた.jpg

 

 

シリアでは、バスで出会った青年が、
自分の家とは正反対の宿まで案内してくれたり。

 

 

シリア人の青年.jpg

 

 

街を歩けば、みんな笑顔で、

 

 

『Welcome to my country!』

 

 

と声を掛けてきてくれます。

 

 

出会う人、ほとんどが親切な人たちばかり。

 

 

シリアからトルコへの国境越えでも、こんな出来事がありました。

 

 

朝5時にしかなかったバスを逃し、途方に暮れていた自分たちを、
これまた心優しいタクシーのおじさんが、
バスと同料金で国境まで連れて行ってくれました。

 

 

今度は、国境からの足がなく、途方に暮れていた僕らを、
シリア警察が乗用車をヒッチハイクしてくれました。

 

 

その乗用車のトルコ人のおじさんは、
トルコの街アンタクヤまで僕らを乗せていってくれ、
カッパドキア行きのバスを一緒に探してくれました。

 

 

御礼にと20トルコリラ紙幣を渡そうにも、
決して受け取ってはくれませんでした。

 

 

その代わりに、自分の電話番号を渡し、

 

 

「トルコで何か困ったことがあったら、連絡くれ。」

 

 

と言い残していきました。

 

 

おじさんかと思いきや、僕より年下の29歳の青年でした。

 

 

トルコ人の青年.jpg

 

 

見ず知らずの通りすがりの旅人に対して、
ここまで親切にしてくれるムスリムの人々。

 

 

というのも、
人を助けること、おもてなしすることが、
イスラムの教えなんだそうです。

 

 

日本で報道されているようなテロリストたちの姿は、
ほんの一部のイスラム教過激派の姿に過ぎません。

 

 

パレスチナ問題に代表されるユダヤとアラブの争いから、
イスラエル側についている欧米系メディアは、
ムスリムを"狂信的なテロリスト"のイメージに作り上げました。

 

 

それらの受け売りをしている日本のメディアから、
そのような姿しか見えてこないのは、
仕方のないことかもしれません。

 

 

ただ、多くのムスリムたちは、
決して驕ることなく、助け合いながら、
日々の生活を過ごしていました。

 

 

僕の中でのムスリムのイメージは、

完全に覆されました。

 

 

機会があれば、是非、ムスリムの国へ。

 

 

人の温かみに触れることができると思います。

 

2010.11.30 Tuesday | 23:03 | comments(2) | trackbacks(0) | by KOJI

シリアの意外性

 

こんな大変な思いで入国しなければ、

この国に対してそこまで思い入れは持てなかったかもしれません。

 

 

シリア、正式名称シリア・アラブ共和国。

 

 

南西にイスラエル、東にイラクと接しているこの国は、

色々な意味で渦中に巻き込まれやすく、

アメリカに『テロ支援国家』のレッテルを貼られています。

 

 

ブッシュによる『悪の枢軸』発言でも、

北朝鮮などと並んで指定されていました。

 

 

Wikipediaで検索しても、あんまりいい話は聞こえてきませんし‥。

 

 

一体、どんだけ悪い国なんだと。

 

 

そんな疑問を抱きながら、恐る恐る街を徘徊すると、

街中のあちこちで目にするこの方のポスター。

 

 

シリアの大統領.jpg

 

 

シリアのトップ、

バッシャール・アサド大統領です。

 

 

そう、シリアは社会主義国家で、

憲法では大統領有するバアス党(アラブ社会主義復興党)を

「国家を指導する政党」と定められています。

 

 

ただ、国民の70%がイスラム教スンニ派の中、

大統領有するわずか12%のアラウィ派が、政治、軍事の中枢を握っているため、

政乱への火種は常にくすぶっているんです。

 

 

そんなレッテルと不安要素を抱えた国でしたが、

この目で見た実態は、まるでイメージと異なるものでした。

 

 

中東とは思えないほど整備された街並み。

 

 

ダマスカスの街並み.jpg

 

 

モロッコのマラケシュに匹敵しそうなほどの、

巨大で、品揃え豊富なスーク(市場)。

 

 

ダマスカスマーケット2.jpg

 

 

そして、美味い飯!

 

 

シリアのシュワルマ屋1.jpg

 

 

シリアのシュワルマ屋2.jpg

 

 

シュワルマ.jpg

 

 

シュワルマと呼ばれる、ケバブのような食べ物は、

生地を鉄板で温めてくれるほどの、こだわりよう。

 

 

アイスクリームは、ピスタチオを始めとしたナッツを、

ふんだんに付けてくれるんです。

 

 

シリアのアイスクリーム.jpg

 

 

ベルギーワッフルのチョコレート版もありました。

 

 

シリアのベルギーワッフル.jpg

 

 

どれもこれも、激美味!

 

 

人も変わらず親切ですし。

 

 

シリア人男性.jpg

 

 

シリア人子供.jpg

 

 

道を聞いた日には、みんな必死になって教えてくれるんです。

 

 

驚くほど、治安もいいんです。

 

 

おまけに、美人も多いときた!

 

 

シリア美人.jpg

 

 

ヨーロッパに近いせいか、

これまでのアラブ人からも若干異なるんですよね。

 

 

服装も、洋服率が断然高まってきました。

 

 

さらに、シリアには、

あのラピュタの舞台の一部になったとも言われている城跡、

『クラック・デ・シュバリエ』もあります。

 

 

クラックデシュバリエ1.jpg

 

 

丘の上にそびえるその城跡は、本当にステキです。

 

 

クラックデシュバリエ2.jpg

 

 

ありのままの姿で残されているため、

内部に入ると、ものすごい雰囲気を感じます。

 

 

クラックデシュバリエ3.jpg

 

 

クラックデシュバリエ4.jpg

 

 

数ある遺跡の中でも、

僕の中では格別なものに入りました。

 

 

そんな観光としても楽しめるシリア。

 

 

経済は、バアス党による計画経済によって、

農業、鉱業、商業の3つがバランスよく保たれており、

石油、天然ガスと地下資源も豊富のため、豊かです。

 

 

おまけに教育水準が高いため、

潜在的伸び白は驚異的と言われています。

 

 

ただ、アメリカによる"悪"のレッテルを貼られているため、

西側諸国との関係がうまくたちゆかずに、

ブレイクスルーにいられずにいるんです。

 

 

確かにテロを支援している背景もあるのかもしれませんが、

それも全てはパレスチナ問題に起因する部分もある訳で。

 

 

アメリカを始めとしたメディアによる洗脳によって、

シリア全体が悪かのようにイメージ付けされていますが、

実態は、そんなことはない。

 

 

正直、すべてが意外と感じるほど、

人も食も街もステキな国でした。

   

 

メディアによる洗脳こそ、

一番恐ろしい国家の陰謀だと感じる今日この頃。

 

 

この目で見てみないことには、

やはり実態を判断してはいけないと思いました。

 

 

たから、旅はやめられません。

 

2010.11.29 Monday | 08:53 | comments(0) | trackbacks(0) | by KOJI

いちかばちかの、シリア国境越え


この旅の中でもハイライトになるであろう
イスラエル滞在からアンマンに戻った我々。

 

 

いよいよシリアへの国境越えに挑戦する日がやって来ました。

 

 

国境越えに挑戦って?

 

 

陸路で中東からヨーロッパへ抜けるためには、
シリアはどうしても越えなければならない関所なのですが、

 

 

これまで、国境で簡単に発給されたビザが、
1ヶ月ほど前から、日本人に対してだけすこぶる厳しくなっており、
ビザのない日本人の大半は、国境で追い返されているようなのです。

 

 

ただ、極一部の幸運な人たちは通れている実態もあり。

 

 

その成功確率は、自分の知る限り10~20%。

 

 

しかも、基準がまったく分からないときた。

 

 

まるでロシアンルーレットです。。

 

 

出発前夜。

 

 

アンマンで滞在したお馴染みの宿マンスールは、
敗戦ムードが立ち込めておりました。

 

 

極度なまでに日本人贔屓をしてくれるルアイ氏がいるため、
マンスールはもはや日本人宿と化しているのですが、

 

 

そこにはシリア国境で敗れ去った日本人が、
一人、また一人と戻って来ていたのです。

 

 

これまで、数々の幸運を見方にして来た我々ですが、
さすがに今回ばかりは自信が持てず‥。

 

 

しかも相手は社会主義国家です。

 

 

まるで神風特攻隊のような気分。

 

 

とりあえず当たって砕けろの姿勢で臨むつもりでしたが、
仕事の癖で、数少ない情報を頼りに
出来る限りの対策を打つことにしました。

 

 

 


ジャーベルとダラアと2つある国境の内、
比較的、成功確率の高そうなダラア国境を目指す。

 

 


団体ではなく、できるだけ少人数で国境を越える。

 

 


中国人、韓国人は問題なく通れているので、
できれば一緒に友達っぽく国境越えを共にしてもらう。

 

 


連れて行ってもらうタクシーの運転手を見方につける。

 

 


シリア男性はメイクをした女性が好き、とのことなので、
嫁はバッチリメイクで臨む。

 

 


イスラエルに入国した証拠を、いっさいがっさい隠滅する。

 

 

 


③以外は実行可能そうだったので、やれることは全て実施。

 

 

特に⑥は重要で、
イスラエル入国時にはもちろんノースタンプで切り抜け、
ヨルダンの出国スタンプも押されていませんでしたが、
イスラエル入国時にパスポートの裏表紙に張られたシール、
これも跡形もなく取り去らなくてはなりませんでした。

 

 

ガムテームでシールの粘着を全て取り去る職人芸。

 

 

なんとか全てを剥がし切り、パスポートの準備は万全です。

 

 

嫁は早起きして、ばっちり舞台メイクを施しました。

 

 

そして、いざ出発の朝。

 

 

シリアへ向けて出発.jpg

 

 

一度、ジャーベルの国境越えを失敗した日本人2名と共に宿を出発。

 

 

ダラア国境までは、2回ほど乗り換えて行かなければならない中、
宿を出たところで、タクシーの客引きに声を掛けられます。

 

 

『ダラアの国境まで、一人5ディナール(約550円)で行ってやる。』

 

 

5ディナール?

 

 

普通にバスなどを乗り継いで行っても、
一人7~8ディナールはかかるところ。

 

 

それで5ディナールは安い。

 

 

ということで、客引きに言われるがままに、
4人でタクシーをシェアすることに。

 

 

これが、失敗でした。

 

 

客引きと運転手は当然、別人なのですが、
このタクシーの運転手が、国境までの道をあまり分かっておらず、
連れて行かれたのがジャーベルの国境だったのです。

 

 

当然、他の2人にとっては、既にトライしてダメだった国境ゆえ、
同じ過ちを繰り返すわけにいきません。

 

 

ただ、僕らにとっては、まだ試していない国境。

 

 

とりあえず、挑戦することにしました。

 

 

そこで、たむろしていた別のタクシーの運転手に
出来るだけフレンドリーに、笑顔で交渉。

 

 

『ビザはあるのか?』

 

 

という問いに対して、

 

 

『いや、国境で取る。』

 

 

と応えた僕らに対して、
ニヤリと不敵な笑みを見せたタクシーのおっちゃん。

 

 

その表情は、自信なのか小馬鹿にされたのか、
その時はまだ判断がつきませんでした。

 

 

シリア国境越えを共にしたタクシーの運転手.jpg

 

 

そんなおっちゃんのタクシーに乗せられ、
ついに国境越えが始まります。

 

 

まずは、ヨルダン側の出国審査。

 

 

出国税8ディナールを支払い、出国スタンプが押印。

 

 

あっさり出国は完了してしまいました。

 

 

これで、引き下がれません。

 

 

向かうはシリアの入国審査。

 

 

思いの外キレイな建物の中には、
外国人用の窓口が一つだけ脇に構えられていました。

 

 

すると、既に列に日本人カップルが並んでいる様子。

 

 

聞くと、ビザは持っていないとのこと。

 

 

ヤバイな。。

 

 

これだと、面倒くさがられて、
一緒くたに断られてしまうかもしれない。

 

 

ただ、仕方ないからとりあえず列に並ぶ。

 

 

そして、ついに自分たちの順番が。

 

 

バッチリメイクの嫁を前面に、

 

 

『ビザないんです。国境で取れると聞いて。』

 

 

と、上目づかいでお願いをしました。

 

 

すると、その入国審査官のおじさん、
嫁のメイクなどには見向きもせず、
面倒くさそうに、パスポートを預かり、
前の日本人カップルのものと一緒に束ねて、

 

 

『1時間後、ヨルダンに戻ることになるだろう。』

 

 

と、吐き捨てたのです。

 

 

しかも、

 

 

『Come back to Jordan.』

 

 

って文法も間違ってるし‥。

 

 

ただし、パスポートは預かられました。

 

 

これは、まだかすかに可能性が残っているパターン。

 

 

鼻っからパスポートを突き返され、断られる人もいるようなのです。

 

 

ただ、預かられるだけ預かられて、1時間後に断られる人もいるようで‥。

 

 

予断は許しません。

 

 

とりあえず、ひたすら入国審査場のベンチで待ち続けます。

 

 

すると、その間に、タクシーのおっちゃんが様子を見に来ました。

 

 

『まだ取れないのか?』

 

 

『とりあえず1時間待っとけ、って言われてるんだよ。』

 

 

そう応えると、運ちゃんは入国審査官の下へ、何かを聞きに行きました。

 

 

そして、建物の外へ駆けだして行き、その10分後。

 

 

なんと、ランチボックスとコーラを買い出し、
それらを入国審査官に差し入れしてるじゃありませんか。

 

 

ナーイス、アシスト!タクシーのおっちゃん!!

 

 

まさか、ここまで気が利く奴とは思いもしませんでした。

 

 

ただ、それが逆効果になる可能性も否定できません。

 

 

期待と不安を胸に、ひたすら待ち続けること40分。

 

 

ついに、別のお偉い審査官に、
もう一組のカップルが呼ばれます。

 

 

質問の内容は以下のような感じ。

 

 

『何でVISA取ってこなかったんだ?』

 

 

という質問に対して、

 

 

『いや、取る時間がなかったんだ。』

 

 

と応えるカップル。

 

 

それに対し、

 

 

『カンボジアのビザは取って来てるのに、
何故シリアのビザは取って来ていない?』

 

 

と、痛い質問を浴びせるお偉い審査官。

 

 

しかし、カップルは、

 

 

『カンボジアへ訪れたのは学生時代。
その頃はまだ時間に余裕があった。
今は働いているので、その余裕がなかったんだ。』

 

 

との、ナイス切り返し。

 

 

それで、お偉い審査官は納得した様子でした。

 

 

そして、次にうちらが呼ばれるのかと思いきや、
うちらに対しては何の質問もなし。

 

 

ん?無視??

 

 

しかし、その手には確実にうちらのパスポートも持って、
お偉い審査官は、ボスのところへ向かって行きました。

 

 

そして、待つこと20分。

 

 

ボスのもとから戻って来たお偉い審査官は、
うちらを呼びだし、こう告げました。

 

 

『今回はビザを発給してやる。ただし、今回だけだ。
ビザがないなら、次回はシリアには来るな!』

 

 

キターーーーー!!!!!!!!!!( ̄□ ̄!)/~

 

 

シリアビザGET~~~!!!!!

 

 

いやぁ、まさかここまで自分たちの運が太いとは‥。

 

 

10~20%の確率をくぐり抜けてしまいました!

 

 

今回ばかりは、幸運の星の下に生まれていることを
信じて疑いません!いや、疑えません!!

 

 

こうして、無事にシリア入国を果たすことができたのでした。

 

 

シリア国境越え成功!.jpg

 

 

そんなこんなで入国したシリアは、
これまた不思議な魅力に詰まった国でした。

 

 

続く。。

 

 

2010.11.26 Friday | 05:57 | comments(4) | trackbacks(0) | by KOJI

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