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『マザーハウス』でのボランティア

カルカッタには、朝の7時頃に到着した。
2~3時間遅れるのは当たり前のインドの列車にしては、
30分遅れとは上出来だ。幸先良し。

 

カルカッタには世界的に有名な安宿街サダルストリートがある。
そこまで、インド人の青年とタクシーを相乗りすることにした。

 

カルカッタ.jpg

 

車内で話しかけてきた彼に、

 

「カルカッタはパトナーよりも全然キレイだねぇ。」

 

と言ったら、なんと彼はパトナー出身だった。。

 

それで彼のスイッチが入り、
車中ずーっとパトナーの魅力を説かれた。

 

「パトナーへはいつ来れる?俺にチャンスをくれ!」

 

最後には名刺を渡されて、インドで困ったらいつでも連絡くれって。


また、いいインド人だった。


サダルストリートでは、
伝説の日本人宿と呼ばれるホテルパラゴンに泊まる予定だったが、
隣のホテルマリアの方が安かったので、そっちにチェックインすることに。

 

 

 

ホテルマリア.jpg

 

ホテルと言っても、何のことはない。

ただの安宿だ。

 

疲れていたが、着くや否や街を散策したら、午前中で終わってしまった。
特に観光すべきところは何もない街だ。

 

逆にカルカッタには、かのマザーテレサが活動の拠点とした場所がある。

 

マザーテレサ.jpg

 

マザーハウスと呼ばれるその施設では、世界各国からの人々が来訪し、
ボランティア活動に従事している。

 

僕等も3日間だけだったが、従事してみることにした。

 

場所は6か所の施設から選べる。

 

・孤児の家
・障害児の家
・障害者の家
・女性、薄弱者の家
・男性、薄弱者の家
・死を待つ人の家

 

迷ったが、僕等は「死を待つ人の家」に決めた。


中でも一番重い、と思う人達に出会うことで、
何か見出すことが出来るかもしれない、と思ったからだ。

 

死を待つ人の家.jpg

 

ただ、そこは僕の想像と大きく異なっていた。

 

患者さんたちからは、生気がみなぎっていたし、
おちゃらけて笑っている人たちもいる。

 

死を待っているとは、到底思えない雰囲気に包まれていた。

 

そこでのボランティアの内容は、
掃除、洗濯、お風呂、ご飯の準備、などなど多岐に渡る。


一番大変だったお風呂入れが、僕の初っ端の仕事だった。
外気温40度の中での労働で、もう汗だくだ。

 

2日目行くと、
既に僕のことを覚えてくれている患者さんも何人かいた。


来てくれたんだね、と言う表情で僕のことを見上げ、

 

「Oh, BABA. Good morning!」

 

と、つぶやいてくれる。
それだけで、うれしさが込み上げてきた。

 

マザーテレサの教えは、
「自分は愛されているんだ」と言うことを知ってもらう、
ために、このような施設を立ち上げたらしい。

 

施設に入っている方は、ほとんどが家族もいない路上生活者。
中でも、不治の病や重度の傷害を被った方たちが集まっている。

 

そんな人たちが、少しずつ心を開いてくれるだけでも、
逆に、自分も必要とされているんだ、という気になれる。

 

ただ、実際には元気になって出ていく人は、2~3割の確率で、
ほとんどがそこで命を落としていくらしい。

 

実際に、僕等がいた期間中にも、亡くなったおばあさんがいた。

 

ここは、病院ではなくホスピスだと言う。
高度な医療技術は施さずに、あくまでも応急処置まで。

 

日本のように延命処置を繰り返すことがいいものなのか、
ここのように自然に死を待つものがいいものなのか。

 

僕には答えが出せない。

 

ただ、
路上で誰に看取られることもなく死んでいくよりも、
こうして、人々に囲まれて死んでいく方が幸せだろう。

 

マザーハウスでのボランティアは、
人は周りに人がいて、初めて幸せになれると言う、
ごくごく基本的だけど、忘れがちなことを、思い出させてくれた。

 

2010.05.25 Tuesday | 20:02 | comments(0) | trackbacks(0) | by KOJI

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