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オリーブ山の平和の使者~イブラヒムとパレスチナ問題について


エルサレムでの滞在は、この旅の中でも格別なものでした。

 

 

それも全て、宿泊させてもらった家のおかげ。

 

 

イブラヒムピースハウス。

 

 

イブラヒムピースハウス看板.jpg

 

 

エルサレムの旧市街を拝むオリーブ山にある、
アラブ人のイブラヒムさんのお家です。

 

 

イブラヒムさん.jpg

 

 

ハウスと呼ぶのは、宿代を徴収している訳ではないため。

 

 

ベッドも洗濯機もインターネットも自由に使っていいのですが、
すべては宿泊客の寄付で生計を立てています。

 

 

イブラヒムさんは、パレスチナ人のおじいちゃんなのですが、
言ってしまえば、パレスチナのダライ・ラマのようなお方。

 

 

 

徹底した武力反対の姿勢で、パレスチナ問題を始め、
世界中で和平活動に取り組む活動家の方です。

ピースハウスの入口には、世界中の新聞で取り上げられている
イブラハムさんの記事で敷き詰められています。

 

 

イブラハムピースハウス玄関.jpg

 

 

正直、こんな方にお会いできるだけでもスゴイことなのに、
その方のお家に泊めて頂けて、かつ、手料理食べ放題!

 

 

このイブラヒムおじいちゃん、
とにかく人にモノを食べさせることが大好きなんです。

 

 

僕らも、家に到着するや否や、

 

 

『Welcome!』

 

 

と、大声で迎えてもらったのですが、

 

 

二言目が、

 

 

『EAT!!』

 

 

三言目が、

 

 

『FOOD!!!』

 

 

なんです(笑)

 

 

鬼の国境越えの後でしたので、
その温かい出迎えに僕らは早速、感激してしまいました。

 

 

が、しかし。。

 

 

おじいちゃんの味付け、とにかく塩辛い!

 

 

しかも、この到着した日に作っていたスープが、
いつも以上、と言うか、尋常じゃない辛さだったんです!!

 

 

激塩辛スープ.jpg

 

 

正直、死海の水で作ったんじゃないかと思うくらいの辛さ。。

 

 

国境越えを共にした日本人6人でお邪魔したのですが、
感激した矢先、全員絶句。。

 

 

ウェルカムミール.jpg

 

 

でも、これを食べればイブラヒムさんと交流できる、と、
登竜門だと考え、なんとか大半を平らげました。

 

 

その後の料理は、ちょっと塩辛いかな、くらいでしたので、
やっぱりその時の味付けは、
塩加減を間違えてしまったんだと思います。

 

 

間違え過ぎだろ!って感じでしたが(笑)

 

 

それでもイブラヒムさんを慕って、世界中から旅人、
並びにジャーナリストの方がここには訪れてます。

 

 

パレスチナのダライ・ラマ、または、マザー・テレサ、

 

と呼んでも過言ではない程のオーラが放たれています。

 

 

彼の頭に虹色のリングが掛かっている昔の写真もありました。

 

 

イブラヒムの昔.jpg

 

 

そんなイブラヒムさんは、前述の通りパレスチナ人。

 

 

ここイスラエルで、現在進行形で問題になっているパレスチナ。

 

 

この地を訪れた限り、否が応でも直面しなければならない問題です。

 

 

重いですが、これも自分の備忘録としてここに記します。

 

 

世界中で迫害を受けたユダヤ人が、ユダヤ人独立国家の創設を求め、
イスラエルに回帰し始めたのが19世紀末期。

 

 

イギリスは、第一次世界大戦で、ユダヤ人の協力を仰ぐことを約束に、
ユダヤ人国家建設への約束をします。

 

 

大戦で勝利したイギリスは、
国際連盟からパレスチナの委任統治を認められ、
世界各地からユダヤ人を入植させました。

 

 

しかし、当時オスマン・トルコとも戦っていたイギリスは、
アラブの協力を取り付けるべく、シリア、パレスチナ、アラビア半島を
アラブ人のモノとして認める覚書も送っていたんです。

 

 

戦争に勝ちたいがために、イギリスが両者にいい顔をしてしまった。

 

 

これがパレスチナ問題の発端です。

 

 

その後、入植し始めたユダヤ人と、
先住民のアラブ人(パレスチナ人)との間で、紛争が勃発します。

 

 

手に負えなくなったイギリスは、問題を国連に委ねます。

 

 

これを受け、1948年、
国連はパレスチナをアラブとユダヤの2国に分け、
聖地エルサレムは国債管理に置く決議を採択。

 

 

しかし、それを不服に感じたアラブとユダヤとの間に、
中東戦争が勃発します。

 

 

4度の戦争を経て、1993年、アメリカが仲介役を務め、
イスラエルとPLO(パレスチナ解放機構)との間で和平交渉が成立。

 

 

1996年からアラファト議長によるパレスチナ自治政府がスタートし、
共同した歩みをし始めたかのように見えました。

 

 

しかし、その後も和平の歩みは挫折を繰り返し、
2004年のアラファト議長が死去。

 

 

2006年にパレスチナ総選挙でハマースが政権を獲得しますが、
イスラエルはそれをテロ組織と見なし、関係は悪化の一途を辿ります。

 

 

イスラエルとパレスチナを分断する『分離の壁』が建設され、
両者の関係は新時代を迎えています。

 

 

パレスチナ自治区.png

 

 

その『分離の壁』へ、訪れて参りました。

 

 

分離の壁1.jpg

 

 

分離の壁2.jpg

 

 

分離の壁3.jpg

 

 

ベルリンの壁が崩壊して、20年以上経ちますが、
未だに人は、同じ人類でありながら、区切ろうとするんですね。

 

 

この壁の建設で、イスラエルはパレスチナへの物資の供給などを絶ち、
兵糧攻め、そして、ガザ地区などへは攻撃までも仕掛けています。

 

 

テロの数は減ったらしいですが、
攻撃によるパレスチナ人の死者の数は増え続けています。

 

 

そこには前ブログで記述したように、
宗教的な背景や、3つの宗教にとっての聖地問題など、
様々な問題が絡んでいるわけですが、

 

 

イスラエルは、自分たちが過去に受けた迫害と同様なことを、
パレスチナに対して行っているわけです。

 

 

知り合いのユダヤ人のおじさんにも話を伺いましたが、
テロに対する防衛だから仕方がないと話をしていました。

 

 

確かに、そうかもしれません。

 

 

ただ、現状を見る限り、圧倒的に弱い立場のパレスチナを
イスラエルがいびっているようにしか見えません。

 

 

唯一の被爆国である日本が、
他国に原爆を落とすことをするでしょうか?

 

 

ユダヤ人は迫害を受け続け、その痛みを知っている民族として、
同じ過ちを繰り返さないよう、務めることができる立場にあると思います。

 

 

イブラヒムは、僕らが去る日の朝、
朝食を振る舞ってくれながら、こう話してくれました。

 

   

イブラヒムの講話.jpg

 

 

『武器は血しか生み出さない。

武器を買うお金があるなら、

子供たちに食べ物を提供しよう。』

 

 

『もはやユダヤ教、キリスト教、イスラム教は関係ないんだ。
 私たちは同じ星の下、同じ神の下の人間に過ぎない。』

 

 

『今こそお互いが思いやりの心を持って、接するべき時なんだ。』

 

 

イスラエルに対する恨み節はいくらでもあるはずの
パレスチナ人である彼から発せられる言葉は、重かったです。

 

 

そして、帰り際、彼の身に着けていたシマーグ
(アラブ人が頭に掛けている布)をプレゼントしてくれ、
こう呟いてくれました。

 

 

『You are like my children.』

 

 

イブラヒムからのプレゼント.jpg

 

 

滞在期間中、本当に家族のように接してくれたイブラハムおじいちゃん。

 

 

英語の分からかった同僚も、
彼から発せられる言葉から何かしらを感じて、
最期は全員して涙をしていました。

 

 

日本にいると、
イスラエルサイドのニュースばかり耳にするパレスチナ問題。

 

 

実態を知ることで、感じ方も大きく変わりました。

 

 

まずは知ることから。

 

 

実際にこの目で見て分かったこと、感じたことの、
ありのままをここに綴りましたが、

 

 

皆さんも機会があったらここエルサレム、
そしてパレスチナへも是非、訪れてみてください。

 

 

その際には、是非「イブラヒムピースハウス」へ。

 

 

忘れかけていた平和への探求心、ありがたさ、
そして、民族・宗教を超越した人の温かさに、
触れることができます。

 

 

イブラハムおじいちゃん、本当にありがとう。

 

 

イブラヒムと記念撮影.jpg

 

 

オリーブ山より平和を祈願して。。

 

2010.11.17 Wednesday | 10:15 | comments(4) | trackbacks(0) | by KOJI

コメント(4)

熱い!!!!
感動した!!!!

私もいってみたい☆

素敵な体験してるね!

イスラエル滞在はこの旅の中でもハイライトの一つに間違いなく入ったよ。クリスチャン松子もエルサレムは絶対に訪れるべきだと思うよー!その際は、絶対にイブラヒムピースハウスへ。

初めまして!バドでお二人のこと知って時々ブログを読ませて頂いてます!実は私も来週イスラエル&パレスチナに入る予定で、イブラヒムさんのお家に是非泊まってご本人ともお会いしてみたいんですが、事前にその旨連絡する方法がもしあったら教えて頂けませんか?

コメントありがとうございます!先ほど、メールアドレスの方へ、ピースハウスについての詳細を書きましたので、ご確認ください。ご本人にお会いできましたら、よろしくお伝えください!

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