2010.11.29
シリアの意外性
こんな大変な思いで入国しなければ、
この国に対してそこまで思い入れは持てなかったかもしれません。
シリア、正式名称シリア・アラブ共和国。
南西にイスラエル、東にイラクと接しているこの国は、
色々な意味で渦中に巻き込まれやすく、
アメリカに『テロ支援国家』のレッテルを貼られています。
ブッシュによる『悪の枢軸』発言でも、
北朝鮮などと並んで指定されていました。
Wikipediaで検索しても、あんまりいい話は聞こえてきませんし‥。
一体、どんだけ悪い国なんだと。
そんな疑問を抱きながら、恐る恐る街を徘徊すると、
街中のあちこちで目にするこの方のポスター。
シリアのトップ、
バッシャール・アサド大統領です。
そう、シリアは社会主義国家で、
憲法では大統領有するバアス党(アラブ社会主義復興党)を
「国家を指導する政党」と定められています。
ただ、国民の70%がイスラム教スンニ派の中、
大統領有するわずか12%のアラウィ派が、政治、軍事の中枢を握っているため、
政乱への火種は常にくすぶっているんです。
そんなレッテルと不安要素を抱えた国でしたが、
この目で見た実態は、まるでイメージと異なるものでした。
中東とは思えないほど整備された街並み。
モロッコのマラケシュに匹敵しそうなほどの、
巨大で、品揃え豊富なスーク(市場)。
そして、美味い飯!
シュワルマと呼ばれる、ケバブのような食べ物は、
生地を鉄板で温めてくれるほどの、こだわりよう。
アイスクリームは、ピスタチオを始めとしたナッツを、
ふんだんに付けてくれるんです。
ベルギーワッフルのチョコレート版もありました。
どれもこれも、激美味!
人も変わらず親切ですし。
道を聞いた日には、みんな必死になって教えてくれるんです。
驚くほど、治安もいいんです。
おまけに、美人も多いときた!
ヨーロッパに近いせいか、
これまでのアラブ人からも若干異なるんですよね。
服装も、洋服率が断然高まってきました。
さらに、シリアには、
あのラピュタの舞台の一部になったとも言われている城跡、
『クラック・デ・シュバリエ』もあります。
丘の上にそびえるその城跡は、本当にステキです。
ありのままの姿で残されているため、
内部に入ると、ものすごい雰囲気を感じます。
数ある遺跡の中でも、
僕の中では格別なものに入りました。
そんな観光としても楽しめるシリア。
経済は、バアス党による計画経済によって、
農業、鉱業、商業の3つがバランスよく保たれており、
石油、天然ガスと地下資源も豊富のため、豊かです。
おまけに教育水準が高いため、
潜在的伸び白は驚異的と言われています。
ただ、アメリカによる"悪"のレッテルを貼られているため、
西側諸国との関係がうまくたちゆかずに、
ブレイクスルーにいられずにいるんです。
確かにテロを支援している背景もあるのかもしれませんが、
それも全てはパレスチナ問題に起因する部分もある訳で。
アメリカを始めとしたメディアによる洗脳によって、
シリア全体が悪かのようにイメージ付けされていますが、
実態は、そんなことはない。
正直、すべてが意外と感じるほど、
人も食も街もステキな国でした。
メディアによる洗脳こそ、
一番恐ろしい国家の陰謀だと感じる今日この頃。
この目で見てみないことには、
やはり実態を判断してはいけないと思いました。
たから、旅はやめられません。
2010.11.29 Monday | 08:53 | comments(0) | trackbacks(0) | by KOJI
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